じゃがいもが豊富にとれる北海道では、昔から各家庭のおやつ料理として作られていた。”いも団子”といっても、家庭によって味付けなどが異なり、それぞれの「家庭の味」がある。一般的な作り方は、ゆでたじゃがいもをつぶし、片栗粉を入れて耳たぶほどの硬さにする。形を整えて、さっとフライパンで 焼き色が付くまで焼く。焼き色が付いたら、バター、醤油、お砂糖をからめて。ほかに、お汁粉のように小豆と味わったり、磯辺焼き風や味噌汁の中に入れたり、団子を揚げたり…と楽しみ方も様々。
「いももち」は、北海道を代表する農産物であるじゃがいもを使った、手軽に家庭で作れる地域料理です。一部の地域では「いもだんご」とも呼ばれています。北海道以外にも、岐阜県、高知県、和歌山県などでも「いももち」が存在しますが、地域によって使われる芋の種類や調理方法が異なります。
「いももち」の起源は、まだもち米の生産技術が発展していない時代に、もち米の代わりに当時豊富に生産されていたじゃがいもを使ったことにさかのぼります。また、じゃがいも以外にも、かぼちゃを使用することもあり、「かぼちゃもち」として伝えられています。
明治時代の開拓時代には、「いももち」は開拓者たちの貴重なエネルギー源として重宝されました。その手軽な調理法から、庶民の食事として普及しました。戦時中や戦後の食糧不足の時代にも食べられ、今では北海道の伝統的なおやつとして、幅広い世代に親しまれています。
じゃがいもは一年中入手できるため、通年で楽しむことができます。子供たちのおやつとしても人気であり、今でも幅広い年齢層から支持されています。
「いももち」の作り方は非常にシンプルです。蒸したじゃがいもをつぶしてまんじゅう状に整え、それを焼くだけです。主に片栗粉が使用されますが、口当たりをなめらかにするために小麦粉を少量混ぜることもあります。一般的には男爵いもが使用されますが、他の品種のじゃがいもでも美味しく作ることができます。食べる際には、バターをのせたり、甘辛いゴマダレにつけたりすることがあり、地域や家庭によってさまざまなアレンジがあります。また、チーズを中に入れて焼いたり、揚げたり、汁物に加えたりするなど、さまざまな調理法も存在します。
主な伝承地域：道内全域
主な使用食材:：じゃがいも、片栗粉