室蘭には”やきとり”の看板を掲げる店が多いが、肉には豚肉が用いられ、玉ねぎ・洋がらしを添えるのが一般的なスタイル。ルーツは、昭和12年頃から農家で養豚が始まり盛んになると、屋台に豚の内臓（モツ）が出回り、その時一緒に野鳥も串焼きにして売られていたことから「焼き鳥」と呼ばれ、その後、串焼きでも手に入りやすい豚肉を使うようになったが、名前は定着した「焼き鳥」のまま変わらなかったようだ。豚肉と玉ねぎの組み合わせは食べれば納得のおいしさ。ぜひ豚の「焼き鳥」を食べてみて欲しい。
「室蘭やきとり」は北海道室蘭市で生まれた、串焼き料理です。名前に「やきとり」とついていますが、実際には鶏肉ではなく、豚肉が使われます。串にはたまねぎと豚肉が交互に刺され、甘みのあるタレと洋辛子がかけられて提供されます。
この料理の歴史は昭和12年（1937年）にさかのぼります。当時、日中戦争に伴い、食料の増産が求められ、農家は豚の飼育を始めました。室蘭市でも同様に豚肉が生産され、市内での消費が奨励されました。その結果、地元の屋台で豚のモツを含む串焼き料理が人気を集めるようになりました。豚肉とたまねぎ、洋辛子といった組み合わせが次第に確立され、「室蘭やきとり」として広まりました。
室蘭市の製鉄所周辺では多くの屋台が串焼きを提供し、その中でも「鳥よし」が「室蘭やきとり」の元祖とされています。この料理では、たまねぎが使用され、これは北海道産のたまねぎが豚肉との相性が良く、また手頃な価格で手に入るためです。
「室蘭やきとり」は通年で楽しむことができ、居酒屋や専門店で提供されています。地元では、親戚や友人と集まる際に、専門店から「室蘭やきとり」を持ち帰り、食事の中心にすることもあります。
「室蘭やきとり」では、一般的にバラ肉ではなく肩ロースを使用することが多いです。北海道の室蘭市を含む道南地域では、一般的に「やきとり」とメニューに記載される場合、豚肉とたまねぎの組み合わせが主流です。最近では、鶏肉を使用した串焼きとの区別のため、豚肉の串焼きは「豚精」や「豚精肉」、鶏肉の串焼きは「鶏精」や「鶏精肉」と表記されることもあります。
作り方は店によって異なりますが、基本的なスタイルは一口大に切った豚肩ロースとくし切りにしたたまねぎを交互に串に刺すことです。それぞれの店舗は独自のつけだれで味付けし、洋辛子が添えられています。好みに応じて塩味を選ぶこともできます。