国華山高龍寺は、函館市内にある最古の寺院で、函館山の麓に位置しています。
堂々たる山門や本堂などの美しい建造物があり、訪れる人を圧倒するほどの存在感を放っています。
高龍寺の建造物10件が歴史的な価値と伝統的な木造建築の技術を結集した芸術性が評価され、国の登録有形文化財に登録されています。
高龍寺の歴史は、1633年に松前法源寺(曹洞宗永平寺派)の僧・盤室芳龍が、亀田(現在の万代町付近)に創建したことに始まります。
現在の本堂は、1899年に完成しました。四方に庇屋根を延ばした「入母屋瓦屋根」で、その下に裳階(もこし)という庇屋根を正面から側面にかけて回し、二層構造の優美な姿が特徴です。
堂内は、39本の太いケヤキの柱と梁で支えられた力強い内部空間で、その中央にはきらびやかな須弥壇があり、釈迦三尊が祀られています。正面の向拝などに施された精巧な彫刻も見事です。
1911年には、東北以北で最大といわれる山門が完成しました。ヒバ材を使い、前後に4本ずつの柱を持つ八脚門です。
獅子、龍、鳳凰などの彫刻が豊富に施された外観が特徴で、山門だけで207個もの彫刻があるそう。越後で製作され、帆船で運ばれてきました。
また、山門の左右には、桟瓦葺きの袖塀が延びており、さらに土塀、厚さ60センチにもなる重厚なレンガ塀が巡らされており、大火の町・函館の寺院らしく防火塀としても機能しています。
国華山高龍寺の本堂・山門及び袖塀・位牌堂・開山堂・金毘羅堂・宝蔵・鐘楼・水盤舎・防火塀・土塀が登録有形文化財として指定されています。
開門 9時~16時
境内見学自由
函館市電・函館どつく前 徒歩10分
函館バス・高龍寺前 徒歩1分