”三平汁”は、北海道の郷土料理でニシンの糟漬けや塩鮭と野菜を合わせて煮た塩汁。名前の由来は、松前藩の殿様が奥尻島に漂着した際、三平という名の漁師が貯蔵野菜と塩蔵ニシンの煮込み汁を作って食べさせたことから、その名がついたといわれるが、諸説あるようだ。現在の三平汁は、塩漬けや糠漬けの魚だけでなく、その季節の魚が使われたり、塩味だけでなく味噌味や酒粕入りなどバラエティに富んでいる。呼び名も、「春三平」「たら三平」「ささげ三平」など、季節や使われる魚、野菜などで変わるようだ。
旬 12月1月 2月
「三平汁」は、サケやニシンなどの魚と人参、大根などの野菜を一緒に煮込んだ郷土料理です。この料理の名前の由来にはいくつかの説があります。一つは、松前藩の藩主が狩りに出かけ、漁師の家で合わせて煮た汁を気に入り、「三平汁」と名付けたという説。もう一つは、有田焼の三平皿に盛ることが由来とされる説などがあります。この料理は200年以上前から存在し、江戸時代後期の「東遊記」という文献にも記録が残っています。
「三平汁」は、保存のために塩漬けにされた生魚を野菜と一緒に煮て、魚の塩分だけで味をつける特徴があります。一部の地域では「石狩鍋」と混同されることがありますが、注意が必要です。なぜなら、「石狩鍋」は味噌仕立てで生サケを使用するのに対し、「三平汁」は主に塩漬けされたサケを使うことが一般的です。
地域によって使用する魚や味付けが異なり、北海道の地域ごとにバリエーションがあります。たとえば、道央地域や道東地域では塩ザケが主に使われますが、道北地域では塩ダラも利用されることがあります。また、檜山地方ではスケソウダラを塩で味付けした「塩三平」と、味噌で味付けした塩ザケを使う「味噌三平」があります。
「三平汁」は寒い冬の時期によく食べられ、体を温める美味しい料理です。一般的には家庭で楽しまれ、北海道の冬の名物料理として親しまれています。
主な伝承地域:道内全域
主な使用食材:サケ、タラ、ニシン、じゃがいも、大根